「・・・」
何であの人はあんな傷ついた顔したんだ。
「・・・ただ昔の話、しただけじゃん。」
のデータを印刷した紙は、何度も取り出して眺めた所為でボロボロに擦り切れてしまっている。
それにこうして取り出さなくとも、記載内容なんてとっくに隅々まで暗記出来ている。
「何か・・・あったのかなぁ。」
寝転んでいる顔の上にパサリと音を立てて紙が舞い落ちる。
「っていうか、何であの人怒ってばっかりなんだ?」
「彼女が怒っているのは、主にお前の前だけだぞ。」
ボソリと呟いた声に反応があった事に驚き、飛び起きたシンの前にはいつの間にか同室のレイが戻ってきていた。
「レ、レイ!?」
思わずベッドから落ちかけたシンを見て、レイは僅かに申し訳なさそうな顔をした。
「驚かしたか、すまない。」
「いや、別に・・・って言うか、いつ戻ったんだよ!」
「今だ。」
「・・・あっそ。」
そこまで会話を交わしてから、ふと先程レイの言った言葉の意味をもう一度聞いてみた。
「でさぁ、何で俺の前でばっかり怒ってんの?あの人。」
「分からないのか。」
「ぜ〜んぜん。」
キッパリ言い放つ素直な同僚に苦笑しつつも、レイは軍服を脱ぐとそれを丁寧にハンガーにかけながらシンの疑問を解決するべく声を発した。
「あの人は普段、誰と共に居る?」
「・・・アイツだろ。」
一気に不機嫌そうな顔になったシン。
それを無視してレイは次の問いを投げかける。
「その人はお前にとってなんだ。」
「赤の他人。」
「・・・そういう意味じゃない。俺たちから見て、フェイスであるアスランは・・・」
「フェイスって言ったって実力は俺の方が上じゃん。それにあの人口ばっかりで何もしないし・・・」
「シン。」
アスランの事となるとつい饒舌となるシンをたしなめるよう、レイは一度だけ名を呼んだ。
その声色からレイの気持ちを悟ったシンは、しぶしぶ言いたくない言葉を口にした。
「俺たちのぉ・・・上官。」
「そうだ。彼女は元ザフトレッド・・・しかもクルーゼ隊の秘書を兼任していた女性だ。上下関係に厳しいのは当たり前だろう。」
「だけどさぁ、レイやルナにはあの人何も言わないじゃん。」
寝転がりながら枕を抱えているシンを見たレイは一瞬拳を握り締めたが、すぐにその手を下ろしため息をつく。
「俺とルナマリアは上官には敬語を使っている。」
「えー?レイはともかくルナも!?」
「公の場では、な。」
「・・・公の場、ね。」
最近、ルナマリアがアスランの側にいるのを目にする事が多い二人は、自然とその言葉を強調した。
一瞬、部屋を沈黙が支配したが、やがて持っていた枕を定位置に向かって放り投げるとシンが声をあげた。
「な〜んで実力ないくせにあの人フェイスなんかやってんだよ!」
「・・・」
「レイも思うだろ?あの人より、俺の方が機体の扱いだって戦況だっていいんだぜ?あの人ときたら口ばっかでさぁ・・・」
「シン、何故お前はそこまでアスランに構うんだ。」
シンと向かい合うようにベッドに腰を下ろしたレイが、真面目な顔で尋ねた。
「お前が相手を下に見るのは勝手だ。気に入らないなら、相手にしなければいい。でもお前はどうしてそうアスランに突っかかるんだ。」
「突っかかってなんかないっ!!」
「・・・」
「気になんか全然してないからなっ!レイ!!」
そう叫ぶと、シンは勢い良く部屋を飛び出して行った。
残されたレイは、シンが出て行く際に落としていった紙切れを拾い、頬を緩めた。
「・・・お前がアスランに対してあんな態度を取るのは、そういう理由か。」
擦り切れてボロボロになったのデータをシンの机の上に戻すと、レイはパソコンを立ち上げある人物へメールを打ち始めた。
はい、一応ここまで書いて落ち着きました。
最後にレイが誰にメールを送ったんだろう?と考えていたら、さっぱり浮かばなくて止まったんです。
だって書き上げて思わず声上げちゃいましたもの!
「ちょっ、ちょっとレイ!?あんた誰にメール送ってんの?!」と(笑)
えー皆様、誰だと思いますか?
「この人でしょう!」とか「こんな理由を送ったに違いない!」と思いついた方、是非風見に教えてください(笑)
それに私が納得したら続きを書きます。
えぇ貴女が想像しているメールの相手を!(笑)書けるのか!?
・・・というか、寧ろこの相手はこの人だ!と教えてくれる人がいるのかどうかの方が不明ですね。
書いていてシンが面白いほどヒロインに興味を持って、1人で悩んでいるのが楽しいです。
でもヒロインはアスラン一直線だから(笑)うん、ゴメンね。シン(報われないねぇ(苦笑))
だってシンにはステラがいるじゃないかっ!(注意:風見はシンステも好きです(笑))
という訳で、意味不明の連載?風な話に付き合って下さってありがとうございました!
DESTINY最終回まで、皆さん頑張ってついて行きましょうね!!